ままかりハウスブログ

【プロが原価公開】外壁塗装工事の相場と適正価格の仕組み

【プロが原価公開】外壁塗装工事の相場と適正価格の仕組み

2025年07月07日 12:21

こんにちは、ままかりハウスです。
今回はよくいただくご質問「外壁塗装の相場ってどれくらいですか?」に対して、実際の原価をすべて公開しながら、適正価格の仕組みをご説明させていただきます。

「工事価格って、なんとなく不透明で信用できない…」
そんな不安を抱えていらっしゃる方にこそ、この記事を読んで安心していただけたらと思っています。


▼ 工事内容の前提条件

  • 戸建て(30坪以下)

  • 外壁:約120㎡

  • スレート屋根:約50㎡

  • 外壁+屋根+シーリングのフル塗装工事

  • 使用塗料:すべてSK化研製のラジカル制御シリコン塗料


▼ 原価の内訳(税抜)

① 足場工事

  • 目安:12万円〜15万円
    ※道路占用許可・誘導員等が必要な場合は別途8万円


② 塗料代(SK化研)

屋根(50㎡)

  • マイルドシーラーエポ(下塗り):12,000円

  • プレミアムルーフSi(上塗り):19,000円

外壁(120㎡)

  • ハイブリッドシーラー:18,000円

  • プレミアムシリコン(上塗り3缶 × 14,000円):42,000円

シーリング

  • オートンイクシード(30本 × 約1,100円):33,000円


③ 職人の人件費(施工技術料)

  • 1人工:25,000円 × 16人工=400,000円


④ その他経費

  • 廃材処分費:10,000円

  • ローラー・刷毛などの副資材:10,000円


▶ 合計原価(足場12万円の場合)

費目金額足場代120,000円屋根塗料31,000円外壁塗料60,000円シーリング材33,000円職人手間400,000円廃材・副資材20,000円合計664,000円(税抜)


▼ 定価と粗利の仕組み

上記の原価66.4万円に対し、粗利40%を乗せた税込販売価格は約110.6万円です。

  • 税抜価格:約100.5万円

  • 消費税(10%):10.1万円

  • 実質粗利(売上 - 原価):約33.6万円(粗利率 約30%)

これはリフォーム業界全体の平均的な粗利率であり、特別高いわけではありません。
フランチャイズ本部の指針でも、**「外壁塗装は粗利40%を目指すべき」**とされています。


▼ 広告費・営業管理費とは?(10〜15%)

お客様の目には見えませんが、以下のような業務にも確実にコストがかかっています。

  • 折込チラシ・Web広告(Google・SNS等)

  • 現地調査・見積作成・提案業務

  • 工事監督・完了検査・アフター対応

これらには約10万6,000円のコストがかかっています。


マッチングサイトヌリカエへからのご紹介の場合も売上高の10%。1件当たりの紹介手数料1.8万円発生。
これはめちゃくちゃ安価な広告宣伝費だけど、見込みレベルがいずれ客過ぎて成約率平均10%と言われています。

価格だけ重視の客層が多く、粗利がなく不正へ繋がるケースも多々。



▼ 最終的に残る「営業利益」とは

定価110.6万円 − 原価66.4万円 − 営業管理費10.6万円
= 残り約23万円

この中から、

  • 役員報酬月額80万円(ここは下げることもできるが最低でも年間500万円切る場合は独立している意味がない)

  • 採用広告費 1名採用するのに40万円~100万円。教育3か月(100万円)

  • 車両費

  • 工事保険料(年間約6万円)

  • 機械メンテナンス 高圧洗浄機1台30万円

  • 倉庫・事務所家賃 ←ここは押さえている

  • スタッフボーナス 難しい現場には報酬を付けないと日当はすでに最大値を出しているのでモチベ低下へ

…などをすべて賄う必要があります。
最終的に会社に残す「営業利益」は約10%(10.6万円)で、これをさらに再投資して事業を持続・成長させることが必要です。


▼ 利益は「会社のため」ではなく「お客様のため」

「少しでも安くしてください」
「他社より高いですよね?」

――こうしたお声は当然あるかと思います。

しかし、1人工2.5万円で16人工=40万円という設定は、決して安くありませんが、品質重視で適正です。
呼び戻し(2回目・3回目訪問)や、塗料・副資材が予定より多くなることも想定しておかないと、簡単に赤字に転落してしまいます

「安くすれば喜ばれる」時代は終わっています。
価格だけで判断する時代から、「適正な原価・適正な利益で良い工事をしてくれる会社か」を見る時代です。


▼ 職人の単価は下げません。品質最優先です。

営業や施工管理を職人自身が兼任することもあります。
だからこそ、営業人件費を削ったところで工事の中身は変わりません。

むしろ、職人の人件費を削った会社は、

  • 職人の独立・引き抜き

  • 下請けへの丸投げ

  • 手抜き施工

  • キックバック等の不正

…といった、業界の闇を抱えて経営が崩れていく事例を数多く見てきました。

私たちは、人件費を「叩いて利益を出す」ビジネスモデルは取りません。


1.5万円で内製化して利益を上げる方法は未熟な職人の採用又は安価にやってくれるラッキーなパターンです。

それでも1万円の粗利しか1日生みません。20日で20万円の粗利です。

当社は職人の内製化は利益を上げる部門ではなく、あくまでも品質を保証する部門だと考えています。

個人の塗装職人へ外注でもいいですが中々、品質が担保されている外注先は忙しく手が中々空かないのが実情です。

そのため1人工2.5万円+報酬で品質担保、厳しい面接、施工検査をかいくぐった方のみで職人は構成されています。



▼ お客様も「ビジネスリテラシー」を持ってほしい

「なぜ値引きできないのか」
「他社はなぜ安いのか」

――その理由を、数字で見て納得していただけるお客様こそ、私たちが本気で向き合いたいお客様です。

原価をすべて開示しているのは、私たちが“ボッタクリ”ではないと信じていただきたいから。
そして会社が利益を出すのは、お客様へのサービスを続けていくためでもあります。


▼ ままかりハウスからのメッセージ

塗装工事は「安さ」だけで選ぶと、見えないところに手抜きが入り、2〜3年で膨れ・剥がれが起きるリスクがあります。

私たちは、高品質で持続可能な施工を提供することを第一に考えています。

だからこそ、原価・利益・体制をすべて開示し、信頼できる工事店であることを目指しています。


▶ お見積り無料です。お気軽にご相談ください!


0120‐666‐455